鳥の標識調査
上の写真を見て鳥の種類がわかる人はなかなかの通かもしれません。
一昨日、12月13日にはキャンプ場敷地内で標識調査をしていました。かすみ網で野鳥を捕まえ、番号の刻印された環境省の金属製足環をつけて放すという調査で、バンディングといいます。かすみ網の所持や野鳥の捕獲は法律で禁止されていますので、もちろん許可を得て行ってます。
この鳥類標識調査については最近出版された「足環をつけた鳥が教えてくれること」という本をぜひご覧ください。少しおかたい本ですが、歴史や意義、さまざまな成果・トピック、批判的な意見への対応などがわかりやすくまとめられています。
さて、上の写真はクロジという鳥です。観察するのはなかなか難しい鳥で、私はこの周辺では見たことがありません。ただ、標識調査では、1羽か2羽だけですが、ほぼ毎冬かかるので、一定数が越冬しているものと思います。しぶいながらも味のある色彩で、スズメより一回り大きいずっしりした体つきと相まって、手に取るとなかなかの存在感です。
この日は最低気温が氷点下3℃、最高気温が9℃と、なかなかの寒さでしたが、無風で曇り空という標識調査には適した天気でした。日の出前から日の入り後までで合計10種23羽を捕獲できました。23羽のうち6羽はすでに足環がついている個体の再捕獲で、すべて去年から今年にかけて足環をつけた個体でした。しかし、今年これまでに再捕獲された73羽には当地で調査を始めた2019年に足環をつけた鳥が3羽、翌2020年のものが5羽いました。小鳥もけっこう長生きするようです。
かすみ網は上の写真のように敷地内に張っています。ときどき勘違いされている方がおられますが、鳥はかすみ網に突き刺さって捕まるわけではありません。網にぶつかって「ポケット」と呼ばれる部分に落ちて飛び出せなくなるのです。写真はシロハラという鳥ですが、この状態なら簡単に取りはずしてやれます。ただ、落ちた後に暴れたりして糸が絡まることもあり、ケガをさせずに鳥を外すにはそれなりの技術と経験、慎重さが必要です。
ほかの動物も要注意です。当キャンプ場には野良猫はほとんど現れず、キツネやテンはいますが私がウロウロしていれば日中に出てくることはありません。ただ、看板猫のすばるがいます。網にかかった鳥や室内で足環を装着中の鳥などを襲わないよう細心の注意を払っています。さいわい、とても聞き分けのいい子なので、これまで危ない場面は一度もありません。
ここのような里山環境でバンディングをやっている人は少ないと思います。一人でやっていますので、鳥にケガをさせないことを最優先に、これからも無理のない範囲で続けていくつもりです。