販売用の薪ができるまで
「野遊びひとりじめ」では薪を販売していますが、そのほとんどは自家製です。つまり、敷地内の立木を伐採し、長い長い道のりを経て上の写真にある販売用の薪棚に並べています。去年も同様のネタを書いていますが、改めてここでの薪づくり作業を紹介しましょう。
敷地内には薪にできそうな木が軽く100本以上はあります。毎年10本程度は伐採していますが、新たに植えたりもしているので、薪は敷地内で持続的にまかなえる状況です。樹種はシラカシ・コナラ・クヌギ・クリといった広葉樹が主で、針葉樹ではヒノキとアカマツが少しあります。
薪づくりは伐採する木を選んで印のテープを巻くところから始まります。選木です。まあ、これは作業としては楽なもの。気がついたときにテープを巻いておくこともありますが、だいたい11月に集中して選んでいます。
次にチェーンソーで伐採(伐倒)です。毎年12月から始めています。周りに障害物がなくて直径が30cmくらいまでならものの数分で終わります。しかし、倒したい木の重心が他の木や建物、フェンスの方に傾いている場合など、苦労することもしばしば。伐倒は事故が多い作業ですので、安全第一で慎重に進めます。
薪づくりで大変なのはここから。次の作業はやはりチェーンソーを使った玉切りや枝落としです。まず薪にするほどの太さがない枝を切ってじゃまにならないところへ運びます。その後は剪定ばさみや電気のこぎりでさらに適当な長さに切っていきます。こうした小枝は自分の焚き火用に使っています。作業の強度としては軽めですが、けっこう時間がかかります。
幹が細い場合や太めの枝は運べる長さに切って仮置き場に運びます。一方、太い木はその場で薪の長さ(約30cm~45cm)に玉切りしてから作業場に運びます。いずれの作業もかなりの重労働だし、腰に来ます。
次はいよいよ斧を使った薪割りです。これは重労働ではありますが、独特の快感があって、なかなか楽しいものです。もちろん、身体も温まります。
薪割り機はありません。基本的には下の写真にある斧を使っていますが、細めの木は短い斧を当ててゴムハンマーで叩く方法で割ります。安全に薪割りできるキンドリングクラッカーもレンタル用に用意していますが、自分では使っていません。
割った薪はまず薪棚などに井桁状に組んで並べて仮乾燥させます。ここでも一輪車で運ぶという作業が伴うので、それなりに身体は使います。
春先になって木々の中で樹液が動き出したら木材中の水分が増えるので伐採作業はオシマイです。主な作業は、仮乾燥させていたものを順次薪棚に積んでいくことになります。その冬に使った薪と入れ替えていく要領です。
こうして薪棚に並んだら作業終了ではありません。この状態でさらに二夏乾燥させてからようやく冒頭の写真にある販売コーナーに並べます。つまり、この冬(2023年12月から2024年2月)に伐採した木を薪として販売できるのは2025年の秋以降ということです。
細かい道具は別にしてチェーンソー、斧、一輪車、それに何といっても自分の労力、を使ってよく乾燥したここの薪はできていくのです。
といっても、販売用にまわすのは2割ほどで、おおくの薪は管理棟の薪ストーブに使っています。できあがった薪は室内全体を快適に維持しているだけではなく、一連の作業で身体の老化を防ぐのにも役に立っていると考えることにしています。